アメリカの伝統行事のひとつ、サンクスギビングデー(Thanksgiving Day)をご存じでしょうか?日本語では「感謝祭」と表現されますが、日本人にとってはあまりなじみのないイベントかもしれません。日本の祝日のなかで近いものは「勤労感謝の日」です。
- サンクスギビングデーと勤労感謝の日の違い
- それぞれの祝日の由来
- 祝日の過ごし方
- サンクスギビングデーに食べる料理
それぞれの祝日の違いを英語で説明するポイントもご紹介しますので、ぜひ覚えていってくださいね。
サンクスギビングデーってどんな日?
サンクスギビングデーは、毎年11月の第4木曜日に行われます。翌日の金曜日は休みになる会社がほとんどで、土日と合わせて最大4日間の大型連休になることが多いようです。サンクスギビングデーの翌日の金曜日は「ブラックフライデー」と呼ばれ、大規模なセールが行われます。近年日本でもブラックフライデーに大型のセールが行われているため、サンクスギビングデーは知らなくてもブラックフライデーなら知っているという方も多いのではないでしょうか。
サンクスギビングデーと似ている日本の祝日には「勤労感謝の日(Labor Thanksgiving Day)」があります。立ち位置は似ていても、実はこの2つの祝日は祝い方や過ごし方に大きな差があることが特徴です。
また、サンクスギビングデーは映画や絵本の題材になっているほか、ゲーム内のイベント(あつまれどうぶつの森など)にも登場します。お子様と一緒にサンクスギビングデーの絵本を読みながら、英語の勉強をするのも良いかもしれません。
では、サンクスギビングデーとはどのような祝日なのかについて、順番に解説していきます。
サンクスギビングデーと勤労感謝の日の由来
どちらも共通して、農作物の収穫を祝うことが由来です。
かつてイギリスからアメリカへ移住してきた人たちは、新しい土地での食糧確保に苦労していました。そのとき、先住民であるネイティブアメリカンから農作物の収穫や狩りの方法を教わり、感謝するようになったことがサンクスギビングデーの由来とされています。
一方日本では、昔からその年の五穀豊穣を神様に感謝する「新嘗祭」が行われてきました。これが勤労感謝の日の起源です。国民の祝日に関する法律(昭和23年 法律第178号)によると、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことが祝日の目的となっています。
日本との大きな違い/似ているイベント
祝日の由来を見てみると、アメリカのサンクスギビングデーと日本の勤労感謝の日は似ています。しかし、その祝い方や過ごし方には大きな違いがあるようです。
サンクスギビングデーは、たくさんの親戚や友人を招待してみんなで料理を囲みながらお祝いすることが特徴です。街中のイルミネーションや室内の飾り付けも豪華で、国全体がお祝いムードになっています。
その一方で、勤労感謝の日はそれほど特別ではない休日のような扱いであることが多く、開催されるイベントも地域単位など小規模のものがほとんどです。また、勤労感謝の日は子どもたちからいつも働いている両親へ感謝を伝える日でもあり、プレゼントを贈ることもあります。
上記の違いから分かるとおり、祝日の由来から考えると勤労感謝の日が近いとされているものの、サンクスギビングデーの過ごし方はどちらかというと日本のお正月に似ているようです。
サンクスギビングデーの過ごし方とは?
サンクスギビングデーには、国全体がお祝いムードになることが特徴です。
ここではサンクスギビングデーの過ごし方についてご紹介します。
現地の方は親戚や友人とホームパーティー
サンクスギビングデーには、自宅にたくさんの親戚や友人を招待してホームパーティーを開催します。ローストターキーやパンプキンパイなどのたくさんの料理を並べたテーブルをみんなで囲みながら、のんびりと過ごすことが特徴です。
また、秋らしいカラーの屋内外の飾り付けも華やかで、サンクスギビングデー独特の雰囲気となっています。
留学生たちは友だち同士で集まってフレンズギビング
国外に留学中で帰国できない場合には、留学生同士で集まってパーティーをします。これを「フレンズギビング」といい、現地での過ごし方と同じようにごちそうを並べたテーブルを囲んで仲間たちと一緒に楽しく過ごします。
サンクスギビングデーはどんな料理を食べる?
サンクスギビングデーに用意されることが多いごちそうには、次のような料理があります。
- Roast turkey(ローストターキー)― 感謝祭といえばこれ!大きな七面鳥をオーブンでじっくり焼いたメインディッシュです。
- Pumpkin pie(パンプキンパイ)― かぼちゃを使った甘いパイ。スパイスが香る秋のデザートの定番です。
- Apple pie(アップルパイ)― サクサクのパイ生地にりんごの甘酸っぱさ。アメリカでは家庭の味として親しまれています。
- Stuffing(スタッフィング)― パンくずや野菜、ハーブを混ぜて七面鳥の中に詰めて焼く料理。ジューシーな旨みが特徴です。
- Mashed potatoes(マッシュポテト)― なめらかにしたじゃがいもにグレービーソースをかけていただきます。
- Green bean casserole(グリーンビーンキャセロール)― インゲン豆をクリームソースとフライドオニオンで焼き上げた、アメリカの家庭的な一品です。
サンクスギビングデーのごちそうといえばローストターキーで、クランベリーソースやグレイビーソースをつけて食べるのが定番です。ほかにも秋の食材を使ったパンプキンパイやスタッフィングなど、たくさんの料理がテーブルに並びます。
サンクスギビングデーとの違いを英語で説明するポイント
アメリカのサンクスギビングデーと日本の勤労感謝の日の違いを英語で説明する際には、次のような内容を伝えるのがポイントです。
- 日本では毎年11月23日に勤労感謝の日(Labor Thanksgiving Day)がある
- 日本でもさまざまなイベントが開催されるが、小規模なものが多い
- 日本の勤労感謝の日は、みんなで集まるよりも家族でゆっくりと過ごす休日である
- 日本では子どもたちから両親へ感謝を込めてプレゼントを贈ることがある
日本の勤労感謝の日はアメリカほど大規模なイベントではないことや、祝い方が大きく異なる点を中心に伝えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、サンクスギビングデーの日米の違いについて解説しました。最後に要点をまとめます。
| 【アメリカ】サンクスギビングデー | 【日本】勤労感謝の日 | |
|---|---|---|
| 祝日の日付 | 毎年11月の第4木曜日 | 毎年11月23日 |
| 祝日の由来 | 農作物の収穫を祝うこと
(ネイティブアメリカンへの感謝) |
農作物の収穫を祝うこと
(新嘗祭) |
| 祝日の過ごし方 | たくさんの親戚や友人を招待してホームパーティー | 家族でゆっくり過ごす一般的な休日 |
| 定番の料理 | ローストターキー、パンプキンパイなど | なし |
日米それぞれの文化や歴史があり、祝日の過ごし方にも大きな差があります。
今回の記事でサンクスギビングデーについて理解を深めながら、ぜひ英語の学習にも活かしていってください。

