今回の記事では
を紹介します。
記事の中では、“中盤から後半に差しかかるまで”のあらすじを紹介しています。「観ようか迷っている」という方は是非参考にしてください。
記事の後半では、作品の中からちょっと笑えるやりとりなどをピックアップし、英語表現を解説しています。
「英国王のスピーチ」とは|どんな作品?
「英国王のスピーチ」(えいこくおうのスピーチ、原題:The King’s Speech)は、2010年に発表された映画で、アカデミー賞4冠受賞作品です。
幼少期から吃音に悩まされたイギリス王・ジョージ6世とその治療にあたった言語療法士ライオネル・ローグの友情を、身分を超えた史実に基づく友情を描いた作品です。
この作品に登場するジョージ6世は2022年9月に亡くなったエリザベス2世の父にあたります。
■主要キャスト
ジョージ6世:コリン・ファース
ライオネル・ローグ:ジェフリー・ラッシュ
エリザベス妃:ヘレナ・ボナム=カーター
エドワード8世:ガイ・ピアース
ウィンストン・チャーチル:ティモシー・スポール
大司教コスモ・ラング:デレク・ジャコビ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「マンマミーア」シリーズで人気のコリン・ファースが主演のアルバート王子、つまり、のちのジョージ6世、そして、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジェフリー・ラッシュが吃音の治療に尽力する言語聴覚士、「ハリーポッター」のヘレナ・ボナム=カーターは妻のエリザベス役を演じます。
「レ・ミゼラブル」のトム・フーパー監督と自身も吃音を持つ脚本家のヴィッド・サイドラーが脚本を務め、第83回米アカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚本賞を受賞しました。
「英国王のスピーチ」はどんなストーリー?
本作の一番の魅力は、アルバートとローグの身分を越えた深い友情です。
舞台は1925年の大英帝国博覧会。アルバート王子が父・ジョージ5世の代理として閉会式でスピーチをするシーンから始まります。
しかし、吃音のために上手くいかず、聴衆もがっかり。
妻のエリザベスはこれまでに何人もの医者に吃音症の治療を頼んできましたが、どれもうまくいきませんでした。
これが最後と訪ねたのが、オーストラリア出身の言語聴覚士・ライオネルのところでした。
最初は乗り気でなかったアルバートもそのユニークな治療法にかすかな期待を感じ始め、レッスンを受けるようになります。
少しずつ自分の過去を話すようになったアルバートは
- 左利きやX脚を無理やり矯正されたこと
- 乳母からの長年にわたる虐待
- 兄から吃音をからかわれたこと
- 末弟の死について
など、自身の不遇な生い立ちから、幼いころに受けた深い心の傷をライオネルに打ち明けられるようになりました。
父から国王の座を引き継いだ兄・デイヴィットの素行は悪く、アルバートは王位継承に対する不安を漏らします。
それに対して、ライオネルはアルバートが王位を継ぐべきだと意見しましたが、「田舎出身の平民に言われる筋合いはない」と腹を立て、ライオネルと絶交してしまいます。
結局、議会や内閣からの反発が激しく、デイヴィッドは1年経たずに退位してしまいます。
そのため、アルバートがジョージ6世となり王位を継承しますが、吃音は改善されておらず、王位継承評議会での宣誓は散々なものでした。
当時のヨーロッパ大陸では、ヒトラー率いるドイツが勢力を増し、イギリスは国民を統率するリーダーたる国王を必要としていました。
ジョージ6世は、再びライオネルのもとを訪ねることを決心し、お互いに謝罪し、吃音の治療が再開されます……
「英国王のスピーチ」から学ぶ英語表現
映画の中から
上のような内容に関する英語表現を紹介します。
クスっと笑えるライオネルの皮肉的な返し
たばこはご遠慮ください。肺を痛めますよ。
リラックスしたいんだ。主治医がたばこは喉を落ち着かせると言っていたぞ。
連中はマヌケですね。
栄誉賞をもらっているんだぞ。
それがまさに「公式のマヌケだ」ってことですよ。
権威のある医者からはタバコは「リラックスの面では良い、と言われている」とするアルバートに呆れた感じでライオネルが皮肉めいて言うセリフです。
吃音は英語で ”stammer”
動詞では「口ごもる、言葉が詰まる」という意味になります。
彼の唐突な質問に、私は言葉に詰まった。
作品の中でも “stammer” という単語は何度も登場しますが、下のセリフが耳に残りました。
僕は吃音で、誰も治せないんだ!
“fix” というと車や壊れたもの、というイメージがありませんか?
上で紹介した文章の中の “fix” には「治療する、修正する」という意味があります。
他にも「悪い癖を直す」という時にも使えますし、「決定する、取り付ける、準備をする」のように別の意味でも幅広く使われています。
「英国王のスピーチ」総評
吃音症で悩むアルバート王子は、身分の差があるにも関わらず対等に接するライオネルに最初はいら立ちを隠せませんでした。
ただ、彼のおかげで吃音の症状が改善されていくと、信頼関係が生まれ、本音で話をして友情が芽生えるようになりました。
国王ジョージ6世となったアルバートは、懸命に国民に向けたメッセージを届けようとします。
それと同時に、国王の言葉に熱心に耳を傾ける国民の姿からは、国王がとてつもなく大きな心の支えであることが力強く描写されています。
上手く話すことのできないアルバートと、言語療法士のライオネルの二人のやりとりの中には笑えるシーンや、感動的なシーンがたくさん入っています。
困難を乗り越え、演説を完璧にやりきった彼らの姿は感動間違いなしです。
王室の高貴な雰囲気までを丁寧に作り込んだ世界観は心を惹きつけ、歴史映画にも関わらず、難しい予備知識がなくても楽しめるようになっています。
身分の違いを乗り越えた友情・愛情という普遍的なテーマが題材であるため、斬新さはありませんがどの世代の人が観ても楽しめる作品だと思います。
まとめ
この記事では
・映画「英国王のスピーチ」のキャスト&あらすじ
・「英国王のスピーチ」から学ぶ英語表現
を紹介しました。
吃音に悩む人と言語聴覚のチャレンジ、身分を超えた友情、王室ならではの高貴な雰囲気、とたくさんの魅力が詰まった作品です。
「次は何の映画を観ようかなあ」と迷っている方はぜひ一度ご覧ください!
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